たまごビル健康講座   平成18年3月11日



3月度 演題 
 
認知症と予防

講師 大阪市立大学大学院医学研究科・システム神経科学
          医学博士  片岡 洋祐 先生







【片岡 洋祐 先生】

脳科学から見た認知症と、その予防について、片岡先生から講座がありました。

認知症とは、脳や身体の病気の為、記憶や判断力が低下して、普通の生活がおくれなくなった状態の事です。人は年をとると、人の名前が思い出せなくなったり、物忘れをするようになりますが、これは誰にでも起こる事で、病気ではありません。

人間は生まれた時約140億個の神経細胞を持っていますが、神経細胞は20歳から70歳の50年間で約10%が死んでしまい新しく再生される事はありません。




しかし、死んだ神経細胞の代わりに、別の神経細胞が補っていくので、普通に暮らせるのです。
この時、急激に神経細胞が死んでいき、普通に生活出来なくなるのが認知症なのです。

認知症になる主な病気(神経細胞が急激に死んでゆく)には、

 (1) 脳の血流不足。・・・脳梗塞、脳出血など
 
 (2) アルツハイマー病などの病気があります。 

それでは、認知症にならない為にはどうすれば良いのでしょうか。

脳は使われなければ衰える事が知られています。脳をよく使っていれば、たとえ神経細胞が死んでも、別の神経細胞が補いますので、認知症にはなりません。

好きな事や楽しい事を積極的に実行していると、脳は活発に活動することが知られています。また、強いストレスがあると、脳の活動は低下します。

毎日を楽しく、積極的に生活する事が大切な事なのです。 また、脳に血液が不足して、神経細胞が死なないように気を付ける事が大切です。

生活習慣病による動脈硬化や、脳梗塞を防ぐ事は大切な事で、普段のバランスのよい食事や、適度な運動が大切になります。