たまごビル 健康で生きる力をつける講座                 平成30年2月10日

          特殊詐欺の防犯について
             
       
        講師 大阪府立八尾警察  生活安全課 
               松谷 良平 先生

 【たまごビル院長 石垣 邦彦 先生】

  健康講座は、自分の命は、自分で守る、決して人まかせにしない。自分の「からだ」そのものを自分で守るということです。
なおかついろいろな事件があります。救急搬送に対してどうすべきか。救急医療も身に付けていただきました。

それから、拉致問題もとりあげました。クスリの問題もあります。何気なく医師から処方されたクスリが突然死の原因になっていたり、いろいろなことが起こります。
そういうことについて、気を付けていきましょう。そして、自分の命は自分で守りましょう。一人一人の努力が大切です。

 テレビを見ると、見事な知恵を持った特殊詐欺があります。どう防ぐか八尾警察の松谷先生にお伺いしましょう。

  
 【大阪府立八尾警察  生活安全課 松谷 良平 先生】
 
 全国的に、昔で言う“オレオレ詐欺”は、現在ではいろいろな手口が増えたので、一括して「特殊詐欺」と呼んでいます。特殊詐欺は7年連続で増加していて、どのように防止するかということで、この様な「防犯教室」を開催しています。
特殊詐欺にはどのような手口があり、見破るためのどのようなキーワードがあるのかを知り、こう言うキーワードがでれば特殊詐欺かもしれないと気付いて、犯罪から身を守っていただきたいと思います。


   
 
 

 特殊詐欺とは

  振り込め詐欺  

      直接会うことなく、電話などで振り込ませたり、郵便でお金を送らせたりする。
     オレオレ、架空請求、融資保証金、還付金等があります

 
  類似詐欺    

      最初の電話の後、請求書などを送りつけてくる詐欺。
     金融商品等、異性紹介、ギャンブル情報、その他


 
【オレオレ詐欺】
 息子や警察官、弁護士などをかたる詐欺
 「風邪で声の調子が悪い」などで声が変わっても信じさせる。
 最近では、まず「電話番号が変わった」と連絡し、本当の息子さんに連絡がつかないようにしたうえで
 詐欺を行う手口になっています。
    「会社のお金を使い込んだ」「女性を妊娠させた」「返済しないと警察に捕まる」
    「示談金が必要だ」
 信じ込んだ被害者が、確認もしないまま振り込んでしまいます。
 または、「会議に出ないといけない」などと言い、上司役や、弁護士役が直接お金を取りにくる場合もあります。


       
 
       
 
       
 
【架空請求詐欺】

インターネットや電話で、ありもしない料金の請求をしてくる詐欺。
「〇〇日までにお金を振り込まないと、民事訴訟を起こします」「会社・家族にばらす」などと
脅しをかけてきます。
もしかしたら、と思わせる手口です。若い人では、アダルトサイトなどを見た経験があれば、
信じてしまいます。

 
        
 
    身に覚えのない請求は、無視しましょう。

  最近は、振り込みには、電子マネーも使われます。
  コンビニなどで、アマゾンカードなどを購入し、インターネットなどでナンバーを登録するだけで
  使えます。被害者のギフト券カードナンバーを聞き出し、犯人が買い物や、現金化します


     

 
コンビニ決済の悪用。

   犯人がコンビニ決済で購入した商品の、商品番号を被害者に知らせコンビニで支払わせます。
   犯人が買ったものを、被害者が支払うことになります。
 

【融資保証金詐欺】
 
  会社や個人商店などに、融資話を持ち掛け、実際には融資しないが、手数料や保証金などを
  支払わせる詐欺。


【還付金等詐欺】

  市役所や社会保険事務所の職員を名乗り
     「医療費の過払い金」
     「年金を還付」
     「税金を還付」
  などの名目でATMで振り込ませる詐欺。
  電話で指示して、ATMで「振り込み」ボタンを押させます。還付金をあなたの口座に振り込むと
  騙し、金額入力の時、個別番号や識別番号等と騙して数字を入力させます(実際には振込金額)。

 ATMの操作に不慣れな高齢者が被害にあっています。

        
ATMでの還付金は詐欺です


【金融商品等取引名目の詐欺】
 
  架空の未公開株・社債・水資源・外国通貨取引などのパンフレットを送り、電話で勧誘します。

  
断っても
 
    「当社の代わりに購入してくれませんか」「〇倍で買いとる」などと誘う。
  
  後日「インサイダー取引」「名義貸しは犯罪である」「警察に訴える」「あなたが一旦
  買うしかない」などと犯罪の共犯者と脅してお金をだまし取ります。


 現金の支払い方法
 
    「現金の手続きが簡単である」「手数料が安価である」などと説明され
    郵パック、レターパック、宅配便で現金を送るように指示されます。

 
   郵パック、レターパック、宅配便で現金は送ることができません。詐欺です。


大阪府内の特殊詐欺の発生状況

  大阪府内では、平成29年度特殊詐欺の発生件数は1597件で、少し減少しており、還付金詐欺は
  大きく減少しています。
  しかし、架空請求詐欺、オレオレ詐欺は非常に増加しています。
  大阪府下の被害金額は、37億5431万7000円です。昨年に比べ15億円以上減少しています。
  オレオレ詐欺の件数が最も多く、架空請求詐欺となっています。
  オレオレ詐欺や架空請求詐欺は、被害金額が高額です。


八尾市の場合

  八尾市内では平成29年度の発生件数は59件で前年度より16件増加しています。大阪府下では
  2番目に多い発生件数です。被害金額は約1億9000万円です。
  八尾市の発生件数は59件ですが、八尾警察が把握している騙しの電話は259件です。
  届け出の無かった分は、もっと多くの電話がかかっています。実際に被害にあった方は、
  だましの電話件数の18%と言われています。非常に多くの電話がかかっています。

 

【防犯対策】

   注意点  手口ごとのキーワードに注意する。  (キーワードが無い場合も)
  
  
      
不安をあおって支払いを迫ってくる
      支払い手続きを急がせる

      
   
振り込め詐欺ではないか

 

【確認する】

   
息子等をかたって電話があった場合

      家族しか知らないことをいくつか質問する  あらかじめ合言葉等を決めておく
      以前の電話番号にかけてみる  (電話番号が変わったなどの連絡があった場合)

   
警察・役所等をかたって電話があった場合

     相手が言った電話番号ではなく、自分で調べた電話番号にかけてみる
     

   相手が言ってきた電話番号やメールアドレスに連絡しない。

 
    確認するだけで被害が防げる。
    インターネットで、相手の電話番号や会社名を調べると、詐欺に使われる電話番号や
    会社名が出てくる場合がある。


【相談する】
  
      自分一人で判断せず、家族、友人、警察に相談する。
     夫婦だけでは、そろって騙される場合もある。

 


【防犯対策】

   知らない電話番号からの電話には出ない  (防犯用電話などを利用)  
 
  知らない人に現金やキャッシュカードを渡さない
 
  レターパックや宅配便で現金を送らない
 
  ATMで医療費や税金の返金手続きはできません


 
 


【質問】

   警察から来た人を確認する方法
     警察手帳をきちんと見せてもらう。必ず警察手帳を持っています。

【実際の犯人の声  ビデオ】

 実際の犯人声を録音したビデオを見ました。  
   丁寧な話し方、一見親切そうな話し方でした。
   巧みな話で、例えば、以前に書類を送ったと言い、書類が無ければ窓口で
   処理が出来ないので、ATMで処理をしますというように誘導します。
   振り込み金額入力で、お客様番号の入力と言い換えて、数字を入力させます。
   また、心配させる話で、600万円請求を、今なら300万で済ますというように
   急がせる手口など、非常に巧妙です。騙されてしまいそうです。


 振り込め詐欺の実際の電話では、みんな騙されています。注意してください。