たまごビル健康講座                    平成28年10月8日

         新患者学入門
            「病いを得る」とはどういうことか?

         講師     DIPEx JAPAN 理事長
                               
                 別府 宏圀 先生

 たまごビル 院長 石垣 邦彦 先生

日本の良心である、ドクターとして最高の方、別府 宏圀 先生に来ていただきま
した。素晴らしい日本の宝です。専門的なことを話されるのではなく、皆さんと一緒
に良い医療を考えていきたいとおっしゃっています。

クスリには副作用があり、それを何とかしたいと、何十年も頑張ってこられました。
しかし、今のクスリ産業、医師、大学病院の既得権力は如何ともしがたいものです。
そこで、患者さんの生の声を聴いて、医療の改革に生かしていきたいと頑張って
おられます。

慢性病になり、たまごビルで身体を整えクスリを減らし、慢性病を予防している
患者さんが、慢性病になった反省から、自分の二の舞にならないようにするには、
小さいころから良い生活習慣を身に付ける必要があり、そのためには、0歳児から
教育する必要があると考えました。そこでたまご保育園を始める事になりました。
自分自身が良い生活習慣で慢性疾患を予防し、その良い習慣が家庭に伝わり、
家庭の皆さんが元気になり、良い習慣を身に付けた子供たちが成長し、結婚して
子供を作る時に、良い習慣を教育する状況が整います。そして教育を受けた子供
たちが、高齢になった時、慢性病にならないで予防でき、これが医療費の削減に
なります。これがクスリを減らして、クスリの副作用も減らす事になります。


 
 別府 宏圀 先生

 患者学入門:医師も看護師や薬剤師も患者さんの目線で見直す必要があります。
目の前にいる患者さんの中にこそ未来の医学の教科書があると言われます。
すでに書かれている教科書はすでに古いもので、患者さんから学ぶことこそ
大切なのです。

 
   

DIPExJapan では患者さんの病気の
体験を伺ってネットで公開し、分析して
学んでいます。
すでに大学や看護師や薬剤師などの
教室でも使われています。
病気になるということは、未知の体験です
から、医師や看護師から色々なことを
聞きますが、不安になります。
体験談に接することで助けとなっています。

  http://www.dipex-j.org/



   健康診断を受けていても異状なく、前立腺癌が相当進行してから
見つかった患者さん。
大学病院などを受診して、症状を訴えていたのに見逃された件です。
患者さんの訴えを聞いていない例です。

http://www.dipex-j.org/prostate-cancer/topic/discovery/hajimari/1282.html

http://www.dipex-j.org/prostate-cancer/topic/discovery/hajimari/1283.htm
l

  前立腺癌で手術をする予定だったのに、母親が認知症で入院し、付き添う
必要があり、手術ができなかった患者さん。病院の都合だけで振り回
されてしまった例。仕事や生活への影響、経済的負担など、今の医療が
考えなければならないことが語られています。


http://www.dipex-j.org/prostate-cancer/topic/life/kazoku/1690.html

 
  一人暮らしの若い患者さんが、自分の生活や治療を受ける費用を得る
ために仕事をしなければならない現状と、医療機関の対応の問題を
語っています。


http://www.dipex-j.org/breast-cancer/topic/life/keizai/439.html

 
  高額な医療費が必要となった患者さんが、高額医療費の払い戻しを
自分で行わなければならなくなった時のことを語っています。
こちらから言わないと、相手からは一切言ってくれない。
知らないと損をしてしまう。受ける権利があるのに、こちらから言わないと
何もしない制度の問題を語っています。

http://www.dipex-j.org/breast-cancer/topic/life/keizai/599.html
 
  地域包括と言われるが、地域にボランティアや人材が不足していて、
現場や患者が苦労しています。
患者さんが自分たちで活動していくことで制度を作っていくことも
患者学です。
 
   患者が抗がん剤を希望していないのに、医師から勧められ、家族の
意見を受け入れなければならなくなった例。
家族は後で後悔しないように、患者にできるだけの事をして欲しいと願い、
抗がん剤の使用を勧め、患者は家族の気持ちを考えて、望んで
いなかった抗がん剤を使用することになりました。
医師は、患者と家族に丸投げでよいのか。
医師も一緒になって相談し考えることが必要ではないのか。

http://www.dipex-j.org/breast-cancer/topic/discovery/ishikettei/445.html
   認知症の家族は、介護者としてではなく、本人の思いを共有するサポート
でありたい。
本人だけではなく、介護している者の人生もあり、個人としての夢も
持ち続けたい。
認知症になった本人も、介護している自分も夢を持ち続け、病気に
負けたくないという2本立ての思い。

http://www.dipex-j.org/dementia/topic/resource/tutaeru/573.html

  孤立して自分が負のスパイラルに落ち込んでいるときは、なにを聞いても
入ってきません。
まわりの人は、親しい人が病気になった時、どう接していいかわからなくて
さけたりします。そんな時、非常にさみしい思いをします。
しかし、忘れられたわけではないと思われた時落ち着きました。
体験談などを聞き、教えられた後、自分が教える側にしてもらったときに、
孤独から抜けられていくように思えました。

http://www.dipex-j.org/dementia/topic/resource/support/2082.html
 
   認知症の方の語り。味やにおいが分からず、どうしようと不安がたまりに
たまっていた時、夫が“おいしくない”と言ったとき爆発してしまった。
不安と悲しみとつらさをいっぱいにためてしまって、精一杯やって、
それがこぼれた時、周りの人は、認知症で性格まで変わってしまうと、
とらえてしまうとおもいました。
認知症の場合、原因まで理解せず、病気のせいでこういう事をすると
言われることが、つらいことです。

http://www.dipex-j.org/dementia/topic/symptom/komaru/2435.html
     
     

アーサー・クラインマン

医学部2年生のときに全身に重篤な火傷を負った7歳の女児の治療を手伝うことになる。
治療浴で傷口から火傷組織をピンセットではがしとる作業をレジデントが行っている間、その子供の手を握って、
落ち着かせ、なだめる役を受け持つ。

考えあぐね、自分の無知と無力にいらだちながら、その手をにぎりしめて、何をしたらよいのかもおぼつかず、
苦し紛れにその子供にどうやってその苦しみに耐えているかを尋ねる。

その子供は突然に驚いた様子で、うめき声をとめ、率直な言葉で語り始める。その言葉を聞いたことが、
その後の彼の研究者としての方向をきめたのであった

 
●子宮頸がんワクチンの副作用

HPVワクチンの安全性
  〇アメリカで集められた多くのデータから安全と言われています。
    自己免疫疾患に罹りやすい人は少数のため、統計上はまるめられ安全となります。
    しかし、少数の人は救われません。データには出ないが危険が存在する。

  〇ワクチン接種をしないと子宮頸がんが増加すると説明
    HPV感染は極めて普通にみられ、大部分は自然に治ってしまう感染症。
   
  〇保護者への説明が不十分
    子宮頸がんの健診率を上げることで発生率を減らす事ができる。
    ワクチンだけが有効ではなく、危険もある。

 ●患者さんの力
 
アシュトン・マニュアル日本語版の誕生

 向精神薬の依存症が医師にも認識されず、離脱方法が分からず、様々な症状に苦しめられていました。
 酷い依存症に苦しめられている患者が、クスリからの離脱方法を探し、日本では知られていなかったイギリスのアシュトン教授の
 解説を見つけ、自ら日本語に翻訳してインターネットで公開しています。
 患者さんが自分の持っている能力で様々なことが出来ます。
 医師には全くできなかったことです。


 【質疑応答】

〇新しいクスリについて

  自分のからだで感じることが大切です。効くことと同時に、それから退くか、退かなければ
  ならないか、退けばどのようなことが起こるか、複雑です。
  全く新しい方法のクスリが出た時は、期待しても良いし、しかし慎重に見てほしい。

〇必要なくすり
 
  どのクスリにも副作用はありますが、クスリを使った方がはるかに楽になるし、安全なものが
  あります。きちっと飲まなければならないクスリと、そうでもないクスリがあります。
  メリハリをつけて患者に伝える事が大切です。