たまごビル健康講座                       平成24年10月13日

                                  
   
     クスリの副作用にどう対処するか(特に高齢者に対する)

             たまごビル院長  石垣 邦彦 先生

 
 今回は、高齢者への投薬が原因で、ふらついて転倒し寝たきりになったり、腎不全や心不全など深刻な 事態が発生している現状を知っていただき、なぜ、そうなるのか。どうすれば予防できるのかを考えてゆきます。

年をとったために仕方がない。病気だから仕方がない。と思われてきた症状が、普段飲んで いる薬の副作用で引き起こされている事実を理解してゆきましょう。

* 薬漬けになっている日本人

 石垣院長から、日本の現状をよく表したシルバー川柳が披露されました。

    ● クラス会 食後は薬の 説明会
    ● 無農薬 こだわりながら 薬漬け

現在の日本では、知らない間に薬漬けになっています。
高齢者がふらつく原因の多くが、薬の副作用で起こっています。薬をやめることで、改善されることが
分かってきました。薬の副作用でふらつき、転倒すれば、高齢者の場合、骨折などで寝たきりになってしまう恐れが高くなります。副作用がもたらす重大な結果です。高齢者が薬を飲むことは大きなリスクを負うことになります。

  

 病気を治すためには薬を飲むことが常識となっています。この常識をくつがえさなければなりません 。特に高齢者の薬の副作用は見過ごされています。しかし、実際に医師が現場で高齢者の副作用を多く経験しています。知らない間に副作用が発生しています。なぜ副作用が見過ごされるのか、なぜクスリを飲み続けるのか、これから解明してゆきます。

*なぜ、高齢者に薬の副作用が多いのか


実例として、10年間治療のためビタミンDを飲み続けていた高齢者の患者さんが、原因不明のふらつきに悩まされたことが取り上げられました。10年間飲み続けても、何も異常が無かったのに、突然副作用が出ました。
この原因は、老齢化や病気の影響で、内臓、特に肝臓や腎臓の機能がおとろえて、クスリの成分が排泄されず、血液中の濃度が高まった事でした。突然副作用が起こりました。今まで、何も問題が無かったからと、安心してはいけないことが分かりました。副作用は突然起こります。

      

 
*高齢者の慢性疾患に対するクスリの問題点

 原因と経過を不明のまま、体全体の「はたらき」が低下した高齢者に、毒性のあるクスリのみを治療手段としている所に問題点があります。原因が分からないまま、高齢者のいろいろな病状に一つ一つ対処するため、多数のクスリが投薬されています。そのため、さらに高齢者の内臓(特に、肝臓・腎臓・胃腸)の「はたらき」に負担が増し、体全体の「はたらき」がさらに低下します。そのため、さらに代謝が低下しクスリの成分の血中濃度が高くなるのです。結果として、高齢者に薬の副作用が多発することになります。

また、高齢者の場合、通常多くの症状があります。その症状が高齢化のためか、病気のためか、副作用のためか、区別しがたいのです。

「病気を治す ⇒ クスリを飲む」これが常識となっていて、クスリを飲み続けなければ、不安でやめられなくなっています。どこかが痛む、血圧が高い、血糖値が高いなどで、クスリを飲まなければならないと思いこんでしまっています。このクスリを飲んで症状を抑えるという常識を覆さなければなりません。

 
*「健康体」という考え方

一つひとつの症状は、健康な体の状態からはずれ、内臓機能が低下した状態になった結果として出てきます。この結果としての症状だけを診て、対症療法をしているのが現在の医学です。従って症状ごとに多くのクスリが出て、クスリ漬けになってしまいます。

たまごビルでは、出発点である「健康体」を診て、内臓機能を強化し「健康体」に戻すことを考えます。
下の図は「健康体と慢性疾患の関係」を表しています。


「健康体」から内臓機能が低下していくと、様々な原因不明の症状(不定愁訴)が現れます。さらに内臓機能が低下すると、様々な症状となって現れます。しかし、原因は内臓機能の低下です。内臓機能を高めることで、様々な症状の根本的な解決になります。

内臓機能は、なぜ低下するのでしょうか。老化や病気、精神的なストレス過労、冷えなどにより低下します。では、どうすれば内臓機能を高められるでしょうか。良いクスリが有ればいいのですが、クスリは内臓に負担をかけ、かえって内臓機能を低下させます。

たまごビルでは「健康体の特徴」である“上腹部の柔軟性”に注目しています。硬く張った上腹部では循環や内臓の動きに悪い影響を与えます。上腹部が柔軟になる事で、身体全体を使った循環が充分に働き、内臓の機能も高まります。

たまごビルのROB治療(内臓調整)は上腹部の柔軟性を取り戻し、内臓機能を高めることができます。クスリを使わないので副作用もありません。ROB治療は身体を「健康体」に戻して行きます。下図の様な様々な効果が表れてきます。また、不必要なクスリを無くしていくことができますので、内臓の負担を少なくし、副作用の防止にもなります。
    

*「川上・川下理論」

多くの病気は結果(川下)であって、必ず原因(川上)が有ります。
今回は、糖尿病を例にとりましょう。下の図のように、1次原因(川上)として、精神的・肉体的ストレスがあります。
そのストレスを解消するため、2次原因の過食が起こります。過食の結果、 3次原因である血糖値が上昇します。血糖値の上昇による合併症を防ぐことを目的に4次原因のクスリが処方され、副作用の危険が増えて行きます。

   

その結果としての病気(川下)を診て対症療法がおこなわれますが、それでは、病気は根本的には治りません。病気の原因もそのままです。ROB治療は体を「健康体」に戻し、病気の根本原因を治して行きます。ROB治療により体が楽になり、ストレスに打ち勝つ力が出来れば、2次原因の過食が無くなり、血糖値が正常に戻り、クスリが不要になって行きます。どんどん「健康体」に戻って行きます。

【四方 伸明先生     関西医科大学病理部教授】
  
      
いつも参加していただいている四方先生から、御意見をいただきました。

医師は、患者の様々な症状に対応してクスリを処方します。患者が苦しんでいる症状を改善することは、患者の望んでいることでもあります。患者からすれば、「医師は患者に悪いことをするはずがない」という医師性善説、「クスリは飲んで悪いはずがない」というクスリ性善説を信じています。

従って副作用などに目をつぶってしまいます。自分には良いこと(症状が改善される)なので、クスリを連用してしまいます。しかし、副作用など悪い面も見て行く必要があります。

石垣先生の行っている療法は、対症療法ではなく、生活に根付いた根本的な治療です。病気の原因となっている悪い状態を取り除けば、人間の身体は自然に良くなっていく力が有ります。
クスリとは一時的に使う物で、決して慢性的に使い続ける物ではないのです。