たまごビル健康講座                       平成24年4月14日

                                  
   病理医からみたあるべき医療 
            必要充分な医療について

                     関西医科大学病理部教授
                         四方 伸明 先生

 ○四方先生は病理医の立場から、“必要充分”な医療を提唱されています。
病理学とは、病気の原因や、なぜ病気になるのか、どのような病気なのかなどを、
細胞、組織、臓器などを検査して変化を調べ、診断を行い、治療に役立てる医学です。
病理医は、主治医と協力し、検査を通じて病理診断を行い、より良い治療を行う医師です。
【術中迅速診断】
 四方先生が必要充分な医療の例として、術中迅速診断の話をされました。病理検査は、標本を処理して検査するのに数日かかります。しかし、手術中には数日かかってはなりません。現在、冷凍技術などで、10分程で行われる術中迅速診断が出来るようになりました。ガンの部分を切除し、標本を術中迅速診断して、ガンが残っていない範囲を確認する事ができるようになりました。この為、安全にガンの部分だけ切除出来るようになり、全摘出を避けられる為、機能が残せますので、患者の負担を減らす事が出来ます。膵臓の例では、全摘出すると、インスリンが分泌出来なくなり、重い糖尿病を引き起こす事になります。一部切除では、機能が残りインスリンは分泌されますので、糖尿病の心配は無くなります。
この様に、従来のガンを一部切除する方法は、安全を考えると充分では有りませんでした。全部摘出する事は、充分ですが、副作用が有ります。しかし、術中迅速診断を組み合わせば、膵臓を一部残す事が出来、患者の負担を減らす事が出来ます。
四方先生は、患者の負担を少なくする為、術中迅速診断の例から必要充分な医療を提唱されています。


 

【医療費亡国論とその対策の紹介】
昭和58年、当時厚生省保険局長、吉村 仁氏が「社会保険旬報」に発表した「医療費をめぐる情勢と対応に関する私の考え方」で述べています。
 昭和58年において医療費の増大を、「このまま医療費が増えつづければ国家がつぶれるという発想さえ出ている。これを仮に医療費亡国論と称しておこう。」と表しています。
「医療費亡国論」への対応は、医療保険制度の改革、治療から予防・健康管理で医療費を節減、医療費需給過剰の見直しなどが書かれ、「国民も医師も質の良い医療を望んでいるのであり、質の良い医療こそ効率の高い医療につながる」、としています。

 現在の医療は治療の為多量の薬を使います。しかし、治療をしようと薬を多量に使えば、必ず副作用が出ます。また、副作用を抑えるため、また薬が使われます。充分に治療を考えると、過剰な医療になって行きます。しかし、薬を少なくし、副作用を無くし、治療から予防へと切り替える事で、副作用も防げ、患者も元気で長生きできます。これが必要充分な医療です。
 たまごビルのROB治療(内臓調整)も、本来の人間の持つ治癒力を活かして、元気で長生きできる治療であり、必要充分な医療と言えます。
詳しくは「病理医からみた、あるべき医療(必要充分な医療)」4月号DVDをご覧下さい。

四方先生と石垣院長の対談


 
         花束 贈呈